こんにちはゲストさん。会員登録(無料)して質問・回答してみよう!

解決済みの質問

古典文法 形容詞(ク活用、シク活用)

こんにちは。
高校古典文法 形容詞の活用 ク活用、シク活用についての質問です。

参考書を見ると、形容詞の本活用(直後に助動詞以外が続く活用)の活用表を見ると、例えば「なし」という言葉なら、

<語幹>「な」 <未然形>「(く)」 <連用形>「く」 <終止形>「し」 <連体形>「き」 <已然形>「けれ」 <命令形>「○」
となっております。

質問(1):ここで、未然形については( )がついていますが、どういうことなのでしょうか?同様にシク活用の「かなし」についても未然形の活用語尾には(しく)と( )がついています。

質問(2):また上記の(く)や(しく)では、この形容詞に続ける言葉として、動詞の場合に続けていた「む・ず」が続きませんが、どういうことなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

投稿日時 - 2007-11-20 07:47:30

QNo.3532555

困ってます

質問者が選んだベストアンサー

 補足の質問に答えるほどの知識があるか、どうか疑わしいのですが、一応答えてみましょう。

 古い時代と言ったのは、上代末期(奈良時代)から平安時代をを意味しています。

[題詞]山部宿祢赤人歌一首(巻08/1471)
[原文]戀之家婆 形見尓将為跡 吾屋戸尓 殖之藤浪 今開尓家里
[訓読]恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり
 これは、万葉集の歌ですが、「恋しけば」を「戀之家婆」と万葉仮名で表記してあります。万葉仮名では「は」と「ば」を区別してかき分けています。それぞれに複数の文字を充てていますが、「婆」はその一つで、「ば」と読みます。「恋しけ」はこの時代に使われた未然形(平安以後は廃れてしまいます)で、「ば」という接続助詞がついて仮定条件を表していますから、古典文法でいうのと同様の使い方ですね。

 これに対して、

[題詞](七夕)(巻10/2017)
[原文]戀敷者 氣長物乎 今谷 乏<之>牟可哉 可相夜谷
[訓読]恋ひしくは日長きものを今だにもともしむべしや逢ふべき夜だに
[仮名]こひしくは,けながきものを,いまだにも,ともしむべしや,あふべきよだに
[左注](右柿本朝臣人麻呂之歌集出)
 では、「恋ひしくは」を「戀敷者」と表記しています。「者」は「は」と読む万葉仮名ですが、では「は」は何助詞かと言うと「係助詞」と言わざるを得ません。とすれば「恋しく」は「連用形」(連用形は名詞になることが多いので「名詞形」という別名があります。)ということになります。「は」という係助詞の意味の説明に次のようなことが記されています。

「旺文社・古語辞典」(1)(2)(3)は略、(4)形容詞型活用の語、及び打消の助動詞「ず」の連用形に付いて仮定の条件をを表す。…ならば <鶯の谷よりいづる声なくは春来ることをたれか知らまし>(古今・春上)

 更に参考には、(4)の用法は「ば」と濁って解釈され、接続助詞と解する説がある。ただ、「は」と清音で表記されていることから、係助詞と解する説が妥当である。この用法は、時代が経つにつれてしだいに条件法のように意識されて行き、室町時代には、接続助詞のように意識されるようになっていた。江戸時代には「ば」と濁って言われるようになった。

と書いてあります。この辞書は受験勉強用には役立つ辞書だと、わたしは思います。

 なお、それに関連してというか、それとは別にというか、次のような問題があります。前に述べたように、奈良時代には万葉仮名で書かれていたものが、平安初期に平仮名が成立して、和歌も物語も随筆も日記も多くが(特に女性によるものは)仮名漢字交じり文で書かれるようになりました。ところが仮名文字の表記法には問題がありました。濁点(勿論半濁点も)、促音「っ」、撥音「ん」などが表記できなかったのです。というより方法がまだ無かったというべきでしょう。
 こんな風に書くと、「何を言ってるんだ。源氏物語も枕草子も教科書に載っているものは、そうしたものはきちんと書かれていて、句読点も付いているではないか」と反問される方が多いと思いますが、これらの原本はほとんどというか全く残って居らず、写本という形で受け継がれてきました。それを教科書等に掲載するに当たり、学者が校訂という作業をしたものを私たちは読んでいるのです。従ってたとえば「は」だったのか、「ば」だったのか、不明な部分はなお存在するのです。文法書に載せてあるものは、そのまとめに過ぎないので、あまり細部にこだわるとかえって分からなくなる場合もありますので、その点はご了解ください。

投稿日時 - 2007-11-21 23:33:09

補足

 詳細な解説をありがとうございます。

>では、「恋ひしくは」を「戀敷者」と表記しています。「者」は「は」と読む万葉仮名ですが、では「は」は何助詞かと言うと「係助詞」と言わざるを得ません。とすれば「恋しく」は「連用形」(連用形は名詞になることが多いので「名詞形」という別名があります。)ということになります。「は」という係助詞の意味の説明に次のようなことが記されています。

>「旺文社・古語辞典」(1)(2)(3)は略、(4)形容詞型活用の語、及び打消の助動詞「ず」の連用形に付いて仮定の条件をを表す。…ならば <鶯の谷よりいづる声なくは春来ることをたれか知らまし>(古今・春上)

↑「は」という係助詞には仮定の条件を示す使い方が万葉仮名~平安時代にかけては存在しており、この「は」は連用形接続である。その後濁音化され、未然形接続の接続助詞として使われるようになった。高校古文の文法書には仮定条件を表す助詞として未然形接続の「ば」は表示されているが、連用形接続の仮定法としての接続助詞「は」は単独では表示されていない。しかし、使用例があるために、古語辞典を調べれば記載されている。ーということでしょうか?

 よって、高校古文文法の形容詞のク活用、シク活用の本活用における未然形の活用語尾については、高校古文文法上の未然形接続である仮定条件を示す助詞「ば」の接続に関して検討すると、万葉仮名~平安時代においては未然形接続の接続助詞「ば」ではなく、連用形接続の係助詞「は」が使用されている場合があり、未然形接続「ば」が登場するのはそれ以降の時代である。
 古い時代は未然形が使用されていなかったために( )で表示してある。-ということでしょうか?

投稿日時 - 2007-11-22 06:11:04

お礼

詳細な解説をありがとうございます。
貴重な事例を示していただいて感謝いたします。

高校古文文法がすべてではなく、辞書にはそれ以外の利用例も記載されているのですね。

> こんな風に書くと、「何を言ってるんだ。源氏物語も枕草子も教科書に載っているものは、そうしたものはきちんと書かれていて、句読点も付いているではないか」と反問される方が多いと思いますが、これらの原本はほとんどというか全く残って居らず、写本という形で受け継がれてきました。それを教科書等に掲載するに当たり、学者が校訂という作業をしたものを私たちは読んでいるのです。従ってたとえば「は」だったのか、「ば」だったのか、不明な部分はなお存在するのです。文法書に載せてあるものは、そのまとめに過ぎないので、あまり細部にこだわるとかえって分からなくなる場合もありますので、その点はご了解ください。

↑いろいろと苦労されているのですね。

投稿日時 - 2007-11-22 06:17:14

ANo.4

このQ&Aは役に立ちましたか?

5人が「このQ&Aが役に立った」と投票しています

回答(4)

ANo.3

「古典文法」、形容詞の活用には「ク活用」「シク活用」の外に、「カリ活用」という補助活用ががあり、これを活用表の中に含める場合と、別に扱う場合があります。「ク活用」を例にとれば、

 (く)    く     し   き   けれ   ○
 から   かり (かり) かる       かれ 

となります。この場合は「カリ活用」を取り込んだ表です。

 さて、問題の(く)は、「ば」がつく場合に仮定条件を表しますが、早い時代には「恋しくは」のように濁らずに言ったらしいのです。そして、この「は」がつくのは「連用形」だという説が優勢です。No.2の方がおっしゃっているのは、このことです。後の時代には「恋しくば」というのが普通になり、この場合は未然形+「ば」と考えるのが妥当でしょう。このように、時代とか使用ケースによって限定的に使用されるため( )がついているのです。

 なお、「ず」「む」などの助動詞が接続する場合は、「から-ず」「から-む」と「カリ活用」系の未然形に接続します。なお、「カリ活用」系の終止形の「かり」は「多かり」のよう一部のものに接続しますので( )がついています。

投稿日時 - 2007-11-20 20:47:32

補足

回答ありがとうございます。
>早い時代には「恋しくは」のように濁らずに言ったらしいのです。そして、この「は」がつくのは「連用形」だという説が優勢です。

↑高校古文文法の参考書をみると、「ば」は順接仮定条件(もし~ならば)という意味で、未然形接続になっています。

 回答の中で示していただいた「恋しくは」が仮定条件だとすると、「→もし恋しいならば」という訳になると思いますが、助詞の一覧表における使い方が未然形でない(連用形である)ということは「ば≠は」であり、高校古典文法上の定義と違うということなのですね。

 高校古文文法一覧表の形容詞のク活用、シク活用の本活用(直後に助動詞以外が続く時)で未然形の活用語尾[(し)、(しく)]が( )で表してあるのは、古い時代の仮定条件を示す助詞は「は」(連用形接続←優勢説:高校古文文法上の定義なし)であり、未然形活用が無かった。仮定条件を表す助詞「ば」が使われるようになってから未然形の活用語尾[(し)、(しく)]が登場したので( )表示してあるということでよいのでしょうか?

 いろいろ書いてすいません。複雑なので再度質問いたします。よろしくお願いします。

投稿日時 - 2007-11-21 07:44:11

ANo.2

「なくば」の「ば」を仮定条件を表す接続助詞とみて、たとえば「~なれ-ば」已然形/「~なら-ば」未然形に準じて、
 「~けれ-ば」已然形/「~く-ば」未然形
としたことによるのではないでしょうか。
「~く-ば」、「~ず-ば」が「~く-は」、「~ず-は」に由来するのであれば、この「く」は連用形とすべきものです。
ただにわかに未然形「○」とはせずに、「(く)」としてあるのでしょう。

投稿日時 - 2007-11-20 10:19:43

補足

回答ありがとうございます。
>「なくば」の「ば」を仮定条件を表す接続助詞とみて、たとえば「~なれ-ば」已然形/「~なら-ば」未然形に準じて、
 「~けれ-ば」已然形/「~く-ば」未然形
としたことによるのではないでしょうか。


↑接続助詞「ば」は順接仮定条件(もし~ならば)は未然形に接続し、順接確定条件(偶然的条件:~ところ、原因・理由:~ので、恒常的条件:~といつも)なら已然形接続ということですね。

>「~く-ば」、「~ず-ば」が「~く-は」、「~ず-は」に由来するのであれば、この「く」は連用形とすべきものです。
ただにわかに未然形「○」とはせずに、「(く)」としてあるのでしょう。

↑すいません。意味がよくわかりません。もう少し解説をお願いします。

投稿日時 - 2007-11-20 18:45:44

お礼

回答ありがとうございます。
助動詞「む・ず」を接続させる時は補助活用になる[なーからーず]となるので、本活用として助詞の「ば」で[なーくーば]と考えるということですね。

そこまではわかったのですが、「この回答への補足」にも記入しましたが、いまひとつ理解できないのでもう少し解説をお願いします。

投稿日時 - 2007-11-20 18:57:41

ANo.1

まず, (2) はそもそも質問が無意味です. 「む」とか「ず」というのは助動詞だから, 「直後に助動詞以外が続く活用」に続くはずがありません.
で, (1) だけど... 未然形で, 直後に助動詞がこない場合って, どんな状況なんでしょう?

投稿日時 - 2007-11-20 09:12:49

お礼

回答ありがとうございます。
>まず, (2) はそもそも質問が無意味です. 「む」とか「ず」というのは助動詞だから, 「直後に助動詞以外が続く活用」に続くはずがありません

おしゃるとおりです。質問文中に「形容詞の本活用(直後に助動詞以外が続く活用)」と定義してありました。

投稿日時 - 2007-11-20 18:36:23